雑収入や配当金の消費税の税区分|非課税と不課税の使い分け

非課税と不課税の使い分け

雑収入や配当金には消費税が課税される課税取引と消費税が課税されない非課税取引又は不課税取引があります。
どちらも似たような言葉で非常に分かりにくいのですが、しっかりと使い分けをする必要があります。


仕入や経費の税区分は課税か税対象外かをきちんと見ておけば大丈夫ですが、売上側の雑収入などは課税か税対象外かだけではなく、税対象外の中でも非課税か不課税かをきちんと区別する必要があります。理由はこの違いによって消費税の納税金額計算が変わってくるためです。

今回は非課税と不課税の違いについて解説いたしますので、どちらの税区分にすべきか判断する材料にしてください。

国内で対価を
得て行う取引
(消費税の対象)
国外取引・
対価の無い取引
(消費税の対象外)
課税対象課税不課税
課税対象に
なじまない
非課税
目次

課税取引の収入の具体例

課税取引の収入とは、国内において、資産の譲渡やサービスの提供などの対価性のある取引によって発生した収入を指します。

国内で対価を
得て行う取引
(消費税の対象)
国外取引・
対価の無い取引
(消費税の対象外)
課税対象課税不課税
課税対象に
なじまない
非課税

課税取引の雑収入の具体例

  • アルミ屑の売却
  • 事業に伴う家賃収入

以下に代表的な仕訳例を記載します。

アルミ屑を売却し、現金を受け取った。

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額摘要
現金
税対象外
5,000円雑収入
課税売上10%
5,000円アルミ屑売却

非課税取引の収入の具体例

非課税取引の雑収入とは、国内において、資産の譲渡やサービスの提供などの対価性のある取引によって発生した収入のうち、消費税の課税対象になじまない取引を指します。

国内で対価を
得て行う取引
(消費税の対象)
国外取引・
対価の無い取引
(消費税の対象外)
課税対象課税不課税
課税対象に
なじまない
非課税

非課税取引の雑収入の具体例

  • 国からの補助金・助成金
  • 電柱の敷地使用料
  • 損害賠償金の受取

電柱の敷地使用料が、普通預金に振り込まれた。

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額摘要
普通預金
税対象外
5,000円雑収入
非課税
5,000円電柱敷地使用料

不課税取引の収入の具体例

不課税取引の雑収入とは、国外の取引または資産の譲渡やサービスの提供などの対価性のない取引によって発生した収入で、そもそも消費税の対象とはならない取引のことです。

国内で対価を
得て行う取引
(消費税の対象)
国外取引・
対価の無い取引
(消費税の対象外)
課税対象課税不課税
課税対象に
なじまない
非課税

不課税取引の雑収入の具体例

  • 国外の取引
  • 保険の配当金
  • 株の配当金

保険の配当金が振り込まれた

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額摘要
普通預金
税対象外
10,000円雑収入
不課税
10,000円○○生命 配当金

株の配当金の源泉所得税が差し引かれた残りが普通預金に振り込まれた。

借方勘定科目借方金額貸方勘定科目貸方金額摘要
普通預金
税対象外
8,469円受取配当金
不課税
10,000円○○㈱ 受取配当金
租税公課
税対象外
1,531円○○㈱ 受取配当金所得税

雑収入の消費税の税区分を間違えるとどうなるのか

ここまでで課税・非課税・不課税の判断基準について見てきました。

それでもやはり判断に迷う取引というのはあると思います。

まとめ

何年仕訳をやっていても雑収入の税対象外が発生すると、非課税か不課税かの判断が必要になってくると「あれ?どっちだっけ?」となることが非常に多いです。
今回の記事が皆さんの仕訳作業の判断材料として活用していただけたら嬉しいです。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が皆さんのお役に立てていただければ幸いです。
ご意見やご感想がありましたら、ぜひコメント欄でお知らせください。
また、次回の記事もお楽しみに!

非課税と不課税の使い分け

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この記事を書いた人

経理部では特異なExcelスキルを活かしつつ部署内の業務改善で紙運用・手書き・二度手間・手入力などの無駄作業改善を進め、大幅な工数削減を実現しました。その成果もあり、M&Aで子会社(経理業務はすべて本社で処理)が8社から10社まで増えていきましたが、経理部門では定年退職等でむしろ人数が減っているにもかかわらず、全員残業無しで暇な時間すらある状態を維持できています。

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