切手代は課税?非課税?インボイスは?

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切手代

切手を郵便局で購入するとレシートには「非課税」と書かれており、「内消費税」も0円と書かれていますし、インボイスの要件を満たしていません。
そのため切手を郵送料(非課税)としたくなってしまうのですが、郵送料は本来課税ですので、これだけでは郵送料が非課税になってしまうので、仕訳としては明確に間違いです。今回は切手購入時の仕訳方法についてご紹介いたします。

目次

簡単な仕訳方法

まずはより簡単な仕訳方法の一例をご紹介します。

日常の仕訳

2月1日に84円の切手を10枚購入(84円×10枚=840円)

借方貸方
通信費
課税仕入10%
840円現預金840円
2月1日

10月10日に84円の切手を1枚購入

借方貸方
通信費
課税仕入10%
84円現預金84円
10月10日

決算時の仕訳

期末に切手の在庫を数えたら84円の切手が3枚残っていた。84円×3枚=252円

借方貸方
貯蔵品
非課税
252円通信費
課税仕入10%
252円
決算整理仕訳

在庫は持たずにすべて利用していれば決算時の仕訳は不要です。

この方法であれば購入時に余計なことは考えず全て通信費で課税仕入として仕訳をしてしまうので、毎月の処理がとても楽です。しかも決算月にも在庫を数えて差額を一本仕訳するだけですので、ほとんど手間がかかりません。

その代わり、まとめ買いをした月には通信費が多くかかったようになってしまうので、月次の損益を正しく把握することは出来ない方法となります。もちろん年間の通信費はちゃんと正しく把握することができます。

複雑だが月次の経費が正しく把握できる仕訳方法

次に多少手間がかかりますが、毎月の通信費を正しく把握するための仕訳方法をご紹介いたします。

日常の仕訳

2月1日に職場のストック用として84円の切手を10枚購入(84円×10枚=840円)

借方貸方
貯蔵品
非課税
840円現預金840円
2月1日

10月10日に84円の切手を1枚購入し、その場で封筒に貼って利用した。

借方貸方
通信費
課税仕入10%
84円現預金84円
10月10日

12月2日に84円の切手をストックから1枚利用して封筒に貼って郵送した。

借方貸方
通信費
課税仕入10%
84円貯蔵品
非課税
84円
12月2日

決算時の仕訳

会計システムの貯蔵品の金額と実際の金額が一致していれば何もしなくていいですが、差異があった場合は以下のような仕訳が必要です。

期末に切手の在庫を数えたら会計システムの金額より実際の在庫が84円の切手3枚分少なかった。(84円×3枚=252円)

※3枚分利用した記帳が漏れていた。

借方貸方
通信費
課税仕入10%
252円貯蔵品
非課税
252円
決算整理仕訳

会計システムの金額より実際の在庫が多かった場合は上記の逆仕訳をしてください。

この方法ですと、購入時にストックしたのか利用したのかによって仕訳方法が変わってくることとストックから利用した場合も仕訳が必要になるので仕訳数が多くなり、その分手間が増えてしまいます。

その代わり、記帳漏れが無い限り毎月の通信費は正しく把握することができます。

レシートには非課税と書かれているのになぜ課税で仕訳をするのか

切手が課税されるタイミング

切手は商品券などの金券と同じで、購入時にはまだ商品もサービスの提供も受けていませんので、購入時はレシートに書かれている通り「非課税」が正解です。

切手は手紙やはがきなどを郵送するときの郵送料の支払方法の一つとして利用するものですので、郵送時に消費税が課税されます。

インボイスはいらないのか

結論から言えばポストに投函する郵送料はインボイスは不要です。

前述しましたように郵便局などの窓口で切手を購入した際にはレシートには「非課税」と記載されており、インボイスの要件を満たしませんのでインボイスを入手することができません。

しかも、手紙に切手を貼ってポストに入れた場合には、消費税が発生するにもかかわらず課税のレシート(インボイス)をもらうことができません。

そのため国税庁のWebサイトにも「適格請求書の交付義務が免除される取引」として「郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)」が挙げられています。

まとめ

切手を購入したときにその場で利用したと仮定すれば、切手の購入時に全て通信費(課税仕入10%)にしてしまうのが一番簡単で楽な方法です。

月次の数字を正しく把握しようと思えば多少の手間をかける必要があります。上記の仕訳例を参考にどちらの方法で運用するのか検討してみてください。

この記事が皆さんのお役に立てればうれしいです。

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この記事を書いた人

経理部では特異なExcelスキルを活かしつつ部署内の業務改善で紙運用・手書き・二度手間・手入力などの無駄作業改善を進め、大幅な工数削減を実現しました。その成果もあり、M&Aで子会社(経理業務はすべて本社で処理)が8社から10社まで増えていきましたが、経理部門では定年退職等でむしろ人数が減っているにもかかわらず、全員残業無しで暇な時間すらある状態を維持できています。

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