「せどりを始めたいけれど、転売ヤーと思われるのが怖い…」

せどりを始めたいけれど、転売ヤーと思われるのが怖い…
副業を検討している多くの方が、こんな不安を抱えているんじゃないでしょうか。私も10社の経理を担当する中で、多くの方から「副業で稼ぎたいけど、人に後ろ指さされるようなことはしたくない」という相談を受けてきました。
実は、この悩みの根本にあるのは「せどり」と「転売ヤー」の違いがハッキリしていないことなんです。



先生、せどりって結局転売と同じじゃないんですか?
ある日、副業を検討中の30代会社員の「にこり」さんが、こんな質問をしてきました。



そう思うでしょう?でも実は、この2つには決定的な違いがあるんです



え?違うんですか?
「目的と手法が全然違う。転売ヤーは『希少性を悪用して価格を釣り上げる』のが目的。でもせどりは『必要な人に価値ある商品を届ける流通の潤滑油』としての役割があるんです」



目的と手法が全然違います。
転売ヤーは『希少性を悪用して価格を釣り上げる』のが目的。
でもせどりは『必要な人に価値ある商品を届ける流通の潤滑油』としての役割があるんです。



なるほど…具体的にはどう違うんでしょう?
私は10社の経理を本社で処理している立場から、多くの事業を数字で見てきました。 その経験から言えるのは、「せどりは副業でおこなっていても利益を上げる立派な事業」だということです。
ただし、正しいやり方を知らないと、古物商許可が必要にも関わらず無許可で営業して「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」を科される可能性もあります。また、副業の所得が20万円以下でも住民税の申告は必要など、税務面でも注意すべき点があります。
この記事では、そんな「誇りを持って取り組める副業」としてのせどりについて、転売ヤーとの明確な違いから、法的な注意点、そして何より「自分の副業に胸を張れる」ためのポイントまで、実際の事例を交えながら詳しく解説していきます。
読み終わる頃には、あなたも「せどりは社会に価値を提供する正当なビジネス」だと自信を持って説明できるようになるでしょう。 そして、転売ヤーと混同されることなく、堂々と副業に取り組めるようになるはずです。
結論から言うと、正しいせどりは「誰かの役に立つ、誇りを持てる仕事」です。 その理由と具体的な方法を、これから一緒に見ていきましょう。
せどりと転売ヤーの違いとは?【結論:目的と行動の倫理性が分かれ道】



せどりと転売って、何が違うんですか?
どちらも安く買って高く売ってるじゃないですか
こんな質問をよく受けます。



確かに表面的には同じように見えますよね。
でも実は、この2つには天と地ほどの違いがあるんです。
その違いを一言で表すなら、「社会に価値を提供しているか、害をもたらしているか」です。
せどり=価値ある商品を”必要な人に”届ける流通の潤滑油
せどりの本質は「流通の最適化」です。
例えば、地方のリサイクルショップで格安で売られている家電製品が、都市部では品薄で高値になっているとします。せどらーはその価格差を見つけて、本当に必要としている人に適正価格で届ける役割を果たしているんです。
これって、立派な社会貢献だと思いませんか?
私が経理を担当している会社の中にも、こういった「情報の非対称性」を解決するビジネスをしているところがあります。地域によって価格差のある商品を適正価格で販売し、消費者と事業者の両方にメリットを提供している。まさにwin-winの関係です。
せどりの特徴:
- 市場に流通しにくい商品をリサーチして見つける
- 適正利益を得ながら「役立つ流通」を支えている
- 購入者に「助かった」と感謝される
転売ヤー=希少性を悪用して”価格を釣り上げるだけ”の存在
一方で転売ヤーは全く違います。
限定商品や人気商品を組織的に買い占めて、本当に欲しい人が手に入れられない状況を作り出す。そして「欲しければ高く買え」と価格を釣り上げる。
これは明らかに社会に害をもたらしていますよね。
実際、過去にポケモンカードの発売時に起きた転売問題では、本来の定価の何倍もの価格でフリマアプリに出品され、本当に欲しがっているユーザーが買えない状況が生まれました。
転売ヤーの特徴:
- 一般販売前や限定商品の買い占めで入手困難にする
- 高額転売で社会全体に不利益をもたらす
- 何の価値も生み出さず、ただ希少性を悪用するだけ
「同じ転売でも、その目的と手法が全く違うんです」
ちなみに、法律的にも転売行為そのものは合法ですが、チケット不正転売禁止法のように、社会的に害のある転売に対しては規制が強化されているのが現状です。
なぜ「せどり」と「転売ヤー」が混同されてしまうのか?



でも世間では、せどりも転売ヤーも同じように批判されませんか?



確かにそうですね。これには理由があります。
メディアやSNSでのネガティブ報道
テレビやニュースで「転売」という言葉が出るとき、多くの場合は買い占めや高額転売の問題が取り上げられます。
「マスクの高額転売で逮捕」「限定グッズの買い占めで社会問題化」
こういった報道を見ていると、「転売=悪」というイメージが定着してしまうのも無理はありません。でも本当は、そこで問題になっているのは「悪質な転売ヤー」の行為であって、健全なせどり業者のことではないんです。
メディアって、どうしてもセンセーショナルな部分だけ切り取りがちですからね。
一部の悪質せどらーの存在が印象を悪くしている
残念ながら、せどりをしている人の中にも、転売ヤーのような手法を使う人がいるのも事実です。
例えば:
- 店舗の商品を根こそぎ買い占める
- 限定商品を複数アカウントで大量購入する
- 価格差だけを狙って社会性を無視した仕入れをする
こういう人たちのせいで、まっとうにせどりをしている人まで悪く見られてしまうんです。



一部の心ない人のせいで、業界全体のイメージが悪くなるのは本当に残念です
実際、私の知人で本当に丁寧にせどりをしている人は、「お客様に喜んでもらえるように」といつも商品の状態チェックや梱包に気を遣っています。リピーターも多く、「また○○さんから買いたい」と言われているんですよ。
副業としてのせどりは「正しい行為」なのか?



それでも、せどりを副業にするのって本当に大丈夫なんでしょうか?



この疑問、すごく大切ですね。経理のプロとしてお答えします。
人の役に立つ「まっとうな商売」である理由
せどりが正当なビジネスである理由は明確です。
流通の隙間を埋める重要な役割を果たしているから。
私が担当している小売業の会社でも、地域によって商品の流通に差があることをよく見かけます。大手チェーンでも、すべての地域に均等に商品を行き渡らせるのは難しいんです。
そこで個人のせどらーが:
- 都市部で余っている商品を地方の人に届ける
- 逆に地方でしか手に入らないものを都市部に持ってくる
- 店舗で見落とされがちな掘り出し物を発見して紹介する
これって、立派な流通業じゃないですか?
実際に「助かった」という購入者の声も多いです:
- 「地元では売ってない商品が買えた」
- 「探していた絶版本が見つかった」
- 「定価より安く買えてラッキー」
税務面や法的リスクを抑えるポイント
ただし、せどりを副業として始める場合、いくつか注意すべき点があります。
古物商許可が必要なケース
せどりを商売として利益を得ようとする場合は古物商許可証が必要です。
古物商許可証についてはこちらを参考にしてください。
古物商とは?必要なケースと不要なケースを解説
- 取得費用:個人の場合約20,000円(申請手数料19,000円+書類取得費約1,000円)
- 取得期間:申請から40~60日程度
- 有効期限:古物商許可証に有効期限はなく、一度取得すれば更新不要
「えっ、2万円もかかるんですか?」と思うかもしれませんが、これは一度きりの投資です。しかも 無許可営業の場合は3年以下の懲役または100万円以下の罰金 という重い処罰があるので、必要な場合は必ず取得しましょう。
税金の基本的な注意点
副業でせどりをする場合の税務処理も重要です。
- 副業の所得が年間20万円を超える場合は確定申告が必要
- 20万円以下でも住民税の申告は必要
- 会社にバレたくない場合は確定申告書第二表で「自分で納付」を選択して普通徴収にする
「税金の話は難しそう…」と思われるかもしれませんが、最近は確定申告ソフトも充実しているので、そんなに心配することはありません。
ただし、多くの自治体では特別徴収を推進しているため、必ず普通徴収になるとは限らない点は知っておいてください。
詳しくはこちらの動画に詳しくまとめてあったのでこちらを参照してみてください。
「転売ヤーと思われたくない…」というあなたへ



せどりをやりたいけど、周りから転売ヤーだと思われるのが嫌です…



その気持ち、とてもよく分かります。でも大丈夫です。正しいやり方を知っていれば、胸を張ってせどりができますよ。
正しいせどりのやり方とは?
買い占め・抱き合わせ・煽り販売をしない
これは絶対のルールです。
- 店舗の商品を根こそぎ買うようなことはしない
- 「今買わないと二度と手に入らない」といった煽り文句は使わない
- 複数の商品をセットにして高く売るような手法は避ける
利益よりも「リピートされる誠実な取引」を優先
私の知人のせどらーは「利益率が下がっても、お客様に喜んでもらえる価格設定にしている」と言っています。その結果、リピーターが増えて、結果的に安定した収益を得ているんです。
短期的な利益を追うより、長期的な信頼関係を築く方が、ビジネスとしても正しいアプローチですよね。
商品選定の基準に「社会性」を持つ
「入手困難なもの」より「欲しい人が見つけにくいもの」を選ぶ
転売ヤーは希少性の高い商品を狙いますが、健全なせどりでは「情報格差」を埋める商品を選びます。
例えば:
- 地方のリサイクルショップで見つけた掘り出し物の家電
- セール情報を知らない人のための商品紹介
- 他の販路では売っていない商品の橋渡し
家電・本・日用品など、ニーズが安定しているジャンルに注力
流行に左右される商品よりも、継続的にニーズのある商品の方が、健全なビジネスモデルを築けます。
ちなみに、私が経理データを見ている中で成功している物販事業者は、みんな「お客様のニーズを第一に考えている」という共通点があります。利益だけを追求している事業者は、長続きしないんですよね。
せどりに”誇り”を持つためにできること



どうすれば、自分のせどり副業に自信を持てるようになりますか?



素晴らしい質問ですね。誇りを持てる副業にするためのポイントをお伝えします。
自分なりの「仕入れポリシー」を持とう
倫理的な基準を明確に言語化する
例えば:
- 「買い占めはしない」
- 「適正価格での販売を心がける」
- 「商品の状態は正直に伝える」
- 「購入者の立場に立って考える」
こういった基準を明文化しておくと、迷ったときの判断基準になります。
SNSや周囲にも説明できるようにしておく
自分のやっていることを堂々と説明できるかどうかは、重要な判断基準です。
「私は○○という理念で、○○な人の役に立つためにせどりをしています」
これを自信を持って言えるなら、あなたのせどりは間違いなく正しいビジネスです。
“誰のための副業か”を常に意識する
自分の利益だけでなく、購入者の満足もゴールに
先日、知人のせどらーがこんなことを言っていました。
「お客様から『ありがとう』のメッセージをもらったとき、ああ、自分の仕事は間違ってないんだなって思えるんです」
利益だけを追求していたら、こんな気持ちにはなれませんよね。
社会的に意味のある仕事だという意識づけ
せどりは立派な流通業です。大手企業がカバーしきれない部分を、個人事業者が補完している。これって、社会にとって本当に価値のあることなんです。
私が10社の経理を見ている中でも、こういった「隙間を埋める」ビジネスをしている会社は、着実に成長しています。社会に必要とされているから、お客様に支持されているんですね。
よくある質問(FAQ)
ここからは、せどりを始める方からよく受ける質問にお答えします。
Q.「メーカーや小売店からクレームが来ることはある?」
A. あります。特に大量購入や限定商品には注意を。迷惑行為を避ける仕入れが基本です。
私の知人でも、同じ商品を大量に購入したところ、店舗から「転売目的での購入はお断りします」と言われた経験があるそうです。
対策として:
- 一度に大量購入しない
- 複数店舗を回って分散購入する
- 限定商品には手を出さない
- 店舗の迷惑にならない範囲で行う
「お店にとってもwin-winの関係」を心がけることが大切です。
Q.「せどりで利益が出たら確定申告は必要?」
A. 年20万円を超える利益がある場合は基本的に申告が必要です。
給与所得および退職所得以外の所得金額が20万円以下の人は、申告の必要はありませんが、20万円以下でも住民税の申告は必要です。
また、会社にバレたくない場合は、確定申告書第二表の「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」で「自分で納付」を選択してください。
税金の申告は、社会人としての基本的な義務です。しっかりと対応しましょう。
Q.「どこまでが”悪質転売”なの?」
A. 消費者が買えなくなるような”買い占め”や、10倍以上の価格設定などが社会的に問題視されています。
具体的には:
- 限定商品の組織的な買い占め
- 定価の数倍以上の価格設定
- 転売目的を隠した大量購入
- 必需品の買い占めによる社会混乱
チケット不正転売禁止法以外では、物の転売に関しての規制はなく、iPhoneやゲーム、グッズなど、チケット以外の物の転売については法律で禁じられていませんが、販売者を騙して購入・転売した場合は、詐欺罪等に問われてしまう可能性があります。
「社会の迷惑になるかどうか」が判断基準です。
ちょっと話が脱線しますが、私が経理をしている会社で、ある商品が爆発的に売れたときがありました。でも、途中で転売ヤーが大量に買い占めるようになって、本当のお客様に届かなくなったんです。結果として、会社のブランドイメージまで傷ついてしまった…なんてことがありました。転売ヤーの行為は、メーカーにとっても大きな迷惑なんですよね。
まとめ|副業としてのせどりに誇りを持てるあなたへ
長くなりましたが、最後にポイントをまとめさせていただきます。
転売ヤーとせどりは「目的」と「姿勢」が決定的に違います。
- 転売ヤー:希少性を悪用して価格を釣り上げることが目的
- せどり:流通の隙間を埋めて、必要な人に商品を届けることが目的
せどりは”買い手”にも”社会”にも役立つ商売です。
正しいやり方で行えば、購入者に喜ばれ、社会の流通効率化に貢献する立派なビジネスです。
正しいやり方を選べば、批判される副業ではありません。
- 古物商許可などの法的要件をクリアする
- 買い占めや悪質な転売は避ける
- 適正な価格設定と誠実な取引を心がける
- 税務申告もきちんと行う
あなたの副業は、きっと誰かの役に立っています。
「あの商品、○○さんのおかげで手に入った」
「いつも丁寧な取引をしてくれて、安心して買い物できる」
こんな声をもらえたとき、あなたはきっと自分の副業に誇りを持てるはずです。
私も経理のプロとして、多くの事業者の数字を見てきました。その中で学んだのは、「お客様のことを本気で考えているビジネスは、必ず成功する」ということです。
せどりも同じです。転売ヤーと混同されることを恐れず、正しいやり方で、胸を張って取り組んでください。あなたの副業が、誰かの「ありがとう」につながることを願っています。
副業で迷ったときは、いつでも「それは社会の役に立っているか?」を自問してみてください。その答えが「YES」なら、あなたの道は間違っていません。
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