【一覧】年収の壁(103万、106万、130万…)をそれぞれ分かりやすく解説

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壁廃止
生徒

先生、うちの売上が順調に伸びてきて、妻にもっと働いてもらいたいんですが…

生徒

103万円とか106万円とか、いろんな『壁』があるって聞いて。どうしたらいいのか分からなくて…

個人事業主の生徒さんから、よくこのような相談を受けます。

確かに、年収の壁は複雑です。「せっかく売上が伸びているのに、配偶者の給与を増やせない」「経理の仕事が増えて手が回らない」…成長期の個人事業主の方々が直面する悩みを、私は10社以上の経理業務を担当してきた経験から、よく理解しています。

実は、2024年10月から106万円の壁に関する重要な制度変更がありました。年収の壁への対応を間違えると、思わぬ負担増を招く可能性も。でも、適切に理解して対策を立てれば、むしろビジネスの成長機会として活用できるんです。

この記事では、年商1,000万円規模の個人事業主の方に向けて、2024年度における5つの年収の壁(103万円・106万円・130万円・150万円・201万円)について、分かりやすく解説します。各壁のポイントや、事業成長に合わせた具体的な対策まで、徹底的に解説していきますよ。

山田さん

先生、でも経理の時間を確保するのも大変で…

店長

そうですね。月に2-5時間かかっている経理業務の効率化についても、この記事の後半でヒントをお伝えしていきます。

年収1,000万円から2,000万円への成長期にある個人事業主の皆さん。この記事を読めば、複雑な年収の壁を理解し、適切な給与設計と経理体制の整備で、ビジネスの成長を加速させることができます。

それでは、まずは2024年度における年収の壁の全体像から見ていきましょう。

目次

2024年度の年収の壁を総まとめ

5つの年収の壁の一覧

個人事業主が知っておくべき主要な年収の壁は、以下の5つです:

  1. 103万円の壁
    • 所得税が発生し始める基準額
    • 配偶者控除の対象から外れる可能性
  2. 106万円の壁
    • 社会保険料が発生するライン
    • 2024年10月から適用基準が変更
  3. 130万円の壁
    • 配偶者の社会保険から外れる基準額
    • 月収換算で約10.8万円
  4. 150万円の壁
    • 配偶者特別控除が段階的に減少開始
    • 実質手取りに影響
  5. 201万円の壁
    • 配偶者特別控除が完全に消失
    • 収入増加と控除のバランスが重要

2024年度の主な変更点

今年度特に注目すべき変更点は以下の通りです:

  • 106万円の壁の変更:従業員51人以上の企業では、週20時間以上かつ月額8.8万円以上で社会保険加入が必要に
  • 社会保険の適用拡大:対象となる従業員の範囲が広がり、より多くの方が加入対象に
  • 控除額の調整:各種控除の金額や適用条件が一部変更

それぞれの壁の基本を理解しよう

103万円の壁のポイント

基礎控除(48万円)と給与所得控除(55万円)の合計額を超えると課税対象となります。

  • 影響を受ける項目
    • 所得税の発生
    • 住民税の発生
    • 配偶者控除の適用可否

※詳しい計算方法は「103万の壁、廃止になるのはいつから?103万の壁について徹底解説」をご覧ください

106万円の壁のポイント

106万の壁廃止の情報があります。新制度に特に注意が必要です。

  • 適用条件
    • 従業員51人以上の企業
    • 週20時間以上の労働
    • 月額8.8万円以上の給与

※詳しい計算例は「106万円の壁、廃止になるのはいつから?106万の壁について徹底解説」をご確認ください

130万円の壁のポイント

配偶者の健康保険や年金の扶養から外れる重要な境目となります。

  • 主な影響
    • 国民健康保険または会社の健康保険への加入が必要
    • 国民年金の自己負担が発生
    • 月収換算で約10.8万円が目安

※詳しい計算例は「130万円の壁、廃止になるのはいつから?130万の壁について徹底解説」をご確認ください

150万円の壁のポイント

配偶者特別控除が段階的に減少を始める基準額です。

  • 控除額の変化
    • 150万円までは満額の配偶者特別控除
    • 150万円を超えると段階的に減額
    • 世帯全体の手取りに大きく影響

201万円の壁のポイント

配偶者特別控除が完全に無くなる年収ラインです。

  • 注意点
    • 201万6千円を超えると控除が完全になくなる
    • 収入増加分と控除喪失分のバランスを考慮
    • 事業主の所得税額にも影響

個人事業主が知っておくべき重要ポイント

事業規模による影響の違い

年商規模によって、最適な選択は変わってきます:

  • 年商1000万円規模の場合
    • 従業員の社会保険負担と売上のバランス
    • 配偶者の給与設計の重要性
    • 将来の事業拡大を見据えた判断
  • 成長期における考慮点
    • 売上増加に伴う業務量の増加
    • 人材確保・待遇改善の必要性
    • コスト管理の重要性

対策の基本的な考え方

  • 短期的な視点
    • 各壁における損得の計算
    • 社会保険料と税金の総合的な検討
    • 手取り収入の最適化
  • 長期的な視点
    • 従業員の福利厚生
    • 事業の成長可能性
    • 社会保障制度の活用

よくある疑問(FAQ)

年収の壁を超えると本当に損なの?

必ずしもそうとは限りません。社会保険加入によるメリット(傷病手当金や育児休業給付金など)や、将来の年金受給額への影響も考慮する必要があります。

配偶者の収入を増やすべきか、抑えるべきか?

事業の成長段階や、配偶者の希望する働き方、世帯全体の収入状況を総合的に判断する必要があります。単純な税金対策だけでなく、事業の持続的な成長も考慮に入れましょう。

社会保険加入のタイミングはいつがベスト?

従業員の待遇改善と事業のコストのバランスを見ながら判断します。特に2024年10月からの制度改正に注意が必要です。

まとめ:成長する個人事業主が取るべき次のステップ

年収の壁は、単なる制約ではなく、事業成長の節目として捉えることが重要です:

  • 成長に向けた準備
    • 経理体制の整備
    • 従業員の待遇設計
    • 専門家への相談検討
  • さらなる情報収集
    • 税務・会計の基礎知識
    • 社会保険制度の理解
    • 経営管理の効率化

※経理体制の整備についてより詳しく知りたい方は、記帳代行サービスの詳細をご覧ください。

年収の壁は一見複雑ですが、理解して適切に対応することで、むしろビジネスの成長機会として活用できます。事業の現状と将来の展望に合わせて、最適な選択を行っていきましょう。

壁廃止

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この記事を書いた人

経理部では特異なExcelスキルを活かしつつ部署内の業務改善で紙運用・手書き・二度手間・手入力などの無駄作業改善を進め、大幅な工数削減を実現しました。その成果もあり、M&Aで子会社(経理業務はすべて本社で処理)が8社から10社まで増えていきましたが、経理部門では定年退職等でむしろ人数が減っているにもかかわらず、全員残業無しで暇な時間すらある状態を維持できています。

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